=第一部:戦略策定(1)「将来のありたい姿」の見える化=
企業戦略を考えるときに登場するのが、「経営理念」「経営ビジョン」「経営目標」という言葉です。
これらの意味や運用方法は、各企業や経営者によってさまざまですが、オフィス・ディーブスでは特に「経営ビジョン」、すなわち「将来のありたい姿」を重要視しています。
下の図は、理念・ビジョン・目標の関係をシンプルに整理したものです。
- 経営理念は、創業目的や大事にしている価値観といった、企業の土台・根っこにあたります。
- 経営ビジョン(将来のありたい姿)は、その理念が実現したときに「こうなっていたい」と願う理想像を示します。
- 経営目標は、ビジョンに向かう途中の通過点であり、年度や中期で区切った具体的な指標を意味します。
理念を土台とし、目標を一歩ずつ積み上げながら、最終的にビジョンへと近づいていく――その関係性をイメージ化したのがこの図です。
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経営理念を土台として、経営ビジョン(将来のありたい姿)を掲げ、そこへ至るための経営目標を定めていく――。
ここからは、それぞれの要素をもう少し具体的に見ていきましょう。
経営理念 ―― 出発点となる原点
企業の創業者や経営者が、なぜその会社を立ち上げたのか。
どんな目的や意義を持ち、どんな価値観を大切にしているのか。
これらを言葉にしたものが「経営理念」です。
いわば 企業の土台・根っこ であり、すべての出発点です。
👉 あなたの会社では、創業の原点をどう言葉にしていますか?
それが理念の第一歩になります。
経営ビジョン(将来のありたい姿) ―― 目指す理想の姿
理念が根であるならば、その理念が花開いたときに「こうなっていたい」と願う姿がビジョン、すなわち「将来のありたい姿」です。
これは企業が存在する限り追い続ける究極の姿でありながら、社会や環境の変化に合わせて形を変えることもあります。数値で表現されることもありますが、多くは抽象的・定性的なイメージです。
👉 5年後、10年後に、あなたの会社はどんな姿になっていたいですか?
一度イメージしてみましょう。それが「将来のありたい姿」です。
経営目標 ―― 道のりを区切るチェックポイント
ありたい姿へ向かって進むには、途中で立ち止まり、進捗を確認する必要があります。
そこで設定するのが「経営目標」です。
1年、3年、5年、10年といった期間ごとに具体的な指標を定め、ビジョンに近づいているかどうかをチェックします。ビジョンよりも具体的で定量的、到達点を明確にしたものが目標です。
👉 あなたの会社では、どんな数値や成果を「チェックポイント」として設定できるでしょうか?
まとめ ―― 理念からビジョン、そして目標へ
経営の土台となる理念(根)から出発し、将来のありたい姿(頂点)を思い描き、そこへ至る道のりを区切るチェックポイントとして目標を設定する。
この三つを順に言語化し、経営者と組織の共通認識として明確にしておくことが、戦略の第一歩です。
オフィス・ディーブスでは、理念・ありたい姿・目標を整理し、言葉にするプロセスをお手伝いします。
そして、それらを一連の流れとして結び付け、道筋として描き出す「戦略ストーリー」については、次稿で取り上げます。
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